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バックナンバー:クワガタ幼虫の食べ物(全7回) 

-第1回- 「クワガタの幼虫って何を食べているの?」

クワブリードを趣味となさる方は、目標に掲げた成虫を輩出することを目指して日夜?研究・試行錯誤をなさっているかと思います。

私もその一人です。

そんな中、同じメーカの菌糸ビンを使って、同じような血統の幼虫を用い、同じような温度環境(冷やし虫家等)で飼育なさっている多くの方において、成長の度合いに差異が見られることを不思議に感じていました。もちろん、その他の要素である「湿度・騒音・振動・明るさ」などは千差万別なので、そのあたりにも差異が生まれる要素があるかと思います。

ただ、「衣食住」という、3大生活必須品のうち、2品を占める菌糸ビンに大きな要素があるのではないか、と考えます。

自分でもほとんど分かっていない、クワガタ幼虫の生態を勉強する意味でも、表題について記す次第です。

クワガタの幼虫が食しているものと言えば、3大飼育法そのものの材料である、

「材」(広葉樹の枯死木そのもの。バクテリア・白色腐朽菌[キノコ菌]が同居していたりする。) 

「菌糸+オガ」 (広葉樹の枯死木・生オガに植菌したモノ。白色腐朽菌[キノコ菌]が同居している。)

「マット」(広葉樹の枯死木を粉砕し、あるいは生オガを発酵させたモノ。バクテリアが同居していたりする。)

に含まれていることは疑う余地もありません。

それらを由来により区分すると、

1.広葉樹(枯死木・生オガ・マット)

2.白色不朽菌

3.バクテリア

ということになります。いずれの飼育方法にも共通するのが広葉樹です。

また、バクテリアは確かに存在し、食しているかもしれませんが、血となり肉となる類のモノではありません。白色不朽菌は食している可能性がありますので、後述しようとは思います。しかしながら、メインディッシュとして挙げるべきは、

「材」であると言えるでしょう。

あと、番外として忘れてはならないのが、「自身の糞」です。

「ウサギ」や「げっ歯類(リス・ねずみ等)」は自身の糞を食することにより栄養を得ていることからも、クワガタ幼虫も食している可能性が大いにあります。

よって、「材」を中心にして、「糞」「白色不朽菌」について次回から記述していきたいと思います。

-第2回- 「材(植物)の成分について」

さて、「材」(植物)を食するクワガタの幼虫ですが、その成分は何でしょう。

以下に材の組成を記します。

植物・微生物・動物の化学組成について (出展:シロアリの生態[東京大学出版] より)
細胞壁成分 原形質成分
セルロース ヘミ
セルロース
リグニン 蛋白質 脂質 貯蔵
炭水化物
灰分
イネ科草本
(葉)
33 13 14 2 2 13 -
落葉樹
(若葉)
16 13 21 9 8 22 6
落葉樹
(老葉)
18 16 30 3 4 15 5
45-48 19-24 17-26 - 2-6 1-2 0.3-1.1
糞(ウマ) 28 24 14 7 2 5 9
バクテリア - 5-9 - 50-60 10-35 5-30 5-15
菌類 - 2-15 - 14-52 1-42 8-60 5-12
節足動物 - 5-9 - 38-50 13-26 14-31 -

若葉には、蛋白質も炭水化物もそれなりに含まれていますね。だから新芽は草食動物が好んで食べるんですね。

節足動物にもそれらがふんだんに含まれていますね。肉食性の動物(昆虫含む)は、手っ取り早い栄養獲得方法をそこに見出したんですね。

一方、材 はどうでしょう。表から分かりますとおり、また、一般にも言われていますとおり、

「材」はそのほとんどが「細胞壁」でできております。(実に90%以上)

それは大きく3つの成分「セルロース」「ヘミセルロース」「リグニン」から成っております。

このうち、「リグニン」ですが、2種類存在するようです。

・グアイアシル型リグニン・・・・針葉樹は本タイプのリグニン100%から成っている。

・シリンギル型リグニン・・・・広葉樹は60%強の本タイプと、30%強のグアイアシル型から成っている。

このあたりにも、クワガタ幼虫がなぜ広葉樹の朽木を好むのかが隠されていそうです。

分子構造図の紹介はWikipediaにでも譲るとしましてリグニンの組成は、

C(炭素)・O(酸素)・H(水素)であり、それらがたくさん集まって、「高分子」と呼ばれる状態で存在しています。

セルロースもまた、C(炭素)・O(酸素)・H(水素)から生成されています。

小学生の理科の時間を思い出してください。

「植物は、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)から、光合成を行い養分を作る」

と習いましたよね。水と二酸化炭素が、見事に「材」(木)になっていたのですね。

多くのクワサイトでも紹介されていますが、「セルロース」「リグニン」は分解することが非常に大変な(=栄養として消化・吸収することが非常に大変な)分子です。他の生物(動物)が食しても一切分解されないのです。(=消化・吸収されないのです。)

故に、地球上の大半の動物は「材」を「堅い上に栄養がない」とみなしているようです。

植物たちが何十億年かけて得た、身を守るための知恵が凝縮されているかのようです。

熱分解においてもリグニンは200℃を要し、セルロースに至っては400℃前後でようやく分解するのです。

また、蛋白質・炭水化物などがほとんどありません。(よって、人間はおろかほとんどの動物は食べても栄養として取り込めないのですね。)

なのに、どうしてクワガタの幼虫は この材を食し、栄養として取り込むことができるのでしょうか。

それは、「細胞壁を分解してくれる方がいる。」からなのです。それはいったい誰なんでしょう。

続きは次回で、、、

-第3回- 「植物の成分の分解って?誰が分解してくれるの(その1)」

さて、クワガタの幼虫が育つために、そのままでは栄養として取り込むことができない「セルロースやリグニン」を取り込めるように「分解」してくれるのは、誰なんでしょう?

「第1回 クワガタ幼虫は何を食べているの」で登場した、

・白色不朽菌

・バクテリア

たち微生物なんですね。

 微生物

   地球上には、植物と動物が存在するのは誰でも知っています。生物学上も

   植物界・動物界 と2分類化されていたころ[18世紀]もありました。

   時代と共に生物の研究が進み、真正細菌界・菌界 など生物の区分の細分化が

   行われております。いずれにせよ、「微生物は、植物でも動物でもない」 

   ということが認識されてきたのでしょう。 ここでは、それら微生物から「細菌」「真菌」

   を取り上げることにします。(なお、クワガタ幼虫に関わりがある部分のみを記しますので、部分的な割愛・省略・飛躍的表現があることをご承知おきください。)

(その1)真菌 :クワガタ界用語で言う[キノコ菌]について

   キノコのほかに、カビ・酵母などもこの仲間ですが、ここではキノコに限定します。

   キノコ菌は、木材不朽菌とも呼ばれます。それらは大きく、

  a) 白色不朽菌

     b) 褐色不朽菌

  c)軟不朽菌

  とに分けることができます。

  それらの特性を簡単にまとめたのが 下表です。            

菌の種類 好む材 得意技 その後の材はどうなる?
白色不朽菌 担子菌
シイタケ

カワラタケ
ヒラタケ等)
広葉樹 リグニンの分解
セルロースの分解
ヘミセルロースの分解
白色になる
(セルロースの色)
褐色不朽菌 担子菌
(サルノコシカケ
ナミダダケ等)
針葉樹 セルロースの分解
ヘミセルロースの分解
褐色になる
(リグニンの色)
軟不朽菌 子のう菌
不完全菌
木材含水率100%以上の木 ヘミセルロースの分解 黒くなり、柔らかくなる

ごらんの通り、白色不朽菌は 材の主要成分である、「リグニン」「セルロース」「ヘミセルロース」を分解できる貴重な生物なんですね。さらに分類すると、

「リグニンを優先的に分解する選択的白色腐朽菌

「セルロースとリグニンを同時に分解する非選択性白色腐朽菌

とが存在しますが、シイタケ・ヒラタケがどちらに属するのかは調べがつきませんでした。

菌糸ビンが白くなるのは、リグニンが分解されているから。

柔らかくなっている産卵木に黒っぽい線状の模様があるのは、軟不朽菌に分解されつつあるから。

ということでしょうか。

長くなってきたので、(その2:細菌)については次回にて、、、

-第4回- 「植物の成分の分解って?誰が分解してくれるの」(その2)

前回は、真菌(キノコ菌)について述べました。

今回は、細菌について記します。

尚、分類学上は誤りかもしれませんが、本欄では、細菌全般をバクテリアと称します。

(バクテリア と表記したほうがクワガタブリーダには馴染みが深いので、、、)

バクテリアは地球上の至るところに存在する生物です。

人間の生息する空間全ては、言うまでもなく、火山の中・深海、ありとあらゆる場所に存在しています。もちろん我々の体内にも生息しています。

(人間の体内には、「1から1.5Kgのバクテリアが存在する」という書もあるようですが、 出展不明のため参考として紹介するにとどめます)

バクテリアの中には、セルロースを分解することのできる物質(酵素:セルラーゼ)を有するモノが居ます。 

そしてそれは、

動物の体内に住んでいる場合(共生している)

・土壌中に住んでいる場合

があります。

さらに、バクテリアは

好気性(空気を好む)モノと嫌気性(空気を嫌う)モノとが居ます。

1.動物の体内に住んでいる場合。

多くの草食動物は、体内にバクテリアを飼っています(共生しています)。そして、それらの助けを借りて栄養を吸収しています。

(1)ウシの場合

  植物(草)を食べる→胃に食物が入る→胃の中に住んでいるバクテリアが植物を分解する→いったん吐き戻し(反芻する)→次の胃でバクテリアもろとも、消化・吸収する。

(2)ウサギの場合

  植物(草)を食べる→胃に食物が入る→消化・吸収が行われる。(だけどあまり効率よく行われていない)→食物が盲腸に入る→腸内バクテリアが分解を行う→排出する(糞をする)→糞食を行う→バクテリアもろとも消化・吸収する。

クワガタ幼虫も草食動物です。上記と同様の形態であると考え、文献を探しましたが適切なものが見つかりませんでした。類似のものとして、カブトムシ幼虫に関する文献がみつかりましたので、以下に引用させていただきます。

(3)カブトムシ幼虫の場合

 [引用:昆虫腸管における植物細胞壁多糖類資化性共生微生物の分子生態学的解析|研究
安齋 寛 ]

-引用開始-

(前略)カブトムシ幼虫腸内はpH10前後のアルカリ性であり、植物細胞壁のヘミセルロース成分でキシリトールの原料となるキシランの分解活性が高いことを見いだした。また、培養法を用いることにより腸内には好気的アルカリ条件下で生育する菌が周囲よりも10倍から100倍多く存在した(中略)後腸より強いキシラン分解活性を有するBacillus属細菌を得ることに成功した。(後略)

-引用終わり-

2.土壌中に住んでいる場合

堆肥を作る作業などがその例ですが、ここでは、クワ幼虫用発酵マット作成を例といたします。

 生オガを用意する→小麦粉などの発酵促進剤を投入する→すでに微量ながら存在していたバクテリアの活動が活発化を始める。→オガ中のセルロース成分などを分解する(かつ増殖する)→オガが分解された発酵マットが出来上がる。

※ただし、大半のバクテリア(シロアリ共生バクテリアを除く)は材の成分のひとつである、リグニンを分解する能力はありません。→だからマットは茶色のままなんですね。しかも白色であるセルロースはどんどん分解されちゃうので発酵が進むと茶色が濃くなるんでしょうかね。

 ※また、クワ幼虫の糞を「マット分解のため」にオガ中に混入させても、オガを分解・発酵(かつ増殖)してくれるかどうかは分かりません。(腸内バクテリアが糞として排出されたとして、そいつが空気を好むかどうかは分からないからです。)

3.まとめ

・ バクテリアの中には、材の成分である「セルロース・ヘミセルロース」を分解する能力があるモノが居る(ただし、リグニンは分解できない)

・ それらのバクテリアは、動物(昆虫幼虫)の体内や、土壌中どこにでも居る

・ 動物の多くはバクテリアに植物の分解をしてもらい、かつバクテリア自身を栄養として消化・吸収している

というところでしょうか。

それでは次回にて、、、

-第5回- 「分解々々って、分解したからどうなのさ。(クワ幼虫に必要なの?)」

さて、これまでに、化学的なことばかり書いてきました。

「どっかで似たような記事を読んだよー」って方も、

「あまり興味ないよー」という方も、お付き合いいただいてありがとうございます。

もう少し書かせて頂きます。

今回で5回目。「分解」がキーワードです。

前回までに「分解」という単語を連発してきましたが、

いったい分解とは何のことで、何の役に立っているのでしょう?

たとえば、「自動車」を人間が、10000個の部品に「分解」したところで、それらはクワ幼虫の栄養とはなりえないことは明白です。同様に、「」をキノコ菌やバクテリアが「分解」したらクワ幼虫の役に立つにものになっているのでしょうか。

そのあたりを議論するためには、

まず「分解の目的」。

そして、それから「材」の分解とそれにより生成される(であろう)物質は何か。

さらに、クワ幼虫に必要なものは何か、を整理しなければなりません。

※(であろう)とカッコ書きしているのは、明確にかつエビデンス(証拠)付きで宣言されている文書をあまり見つけることができなかったためです。

1.材の分解の目的 

  a)分解者自身が必要とするものそうでないものを分離させるために分解する。

  b)必要としたものを分離した上で、その物質を自分に取り込める形にするために分解する。

  この2つの目的があると考えます。具体的には、

  a)セルロースと、リグニン・ヘミセルロールとを分離させるために分解する。

  b)セルロースを取り込める形にするために分解する。

  といったところでしょうか。

  a)については、分かりやすい概念図があったので、引用させていただきます。

 (図引用:生分解性プラスチックの合成に関する研究[群馬県立勢多農林高等学校理科部]より)

  Photo_2

 このような構造となっている 木材からセルロースを使うために、邪魔となるリグニン・ヘミセルロースを除去しているのかも、です。

2.材が分解したら何になる

まずセルロースですが、一般的に、分解するとグルコース(ぶどう糖)になります。

ヘミセルロース・リグニンについては、微生物分解して何になるのか不明です。(研究者でない私は文献から探すことしかできないのですが、見つけることができませんでした。)

3. 生き物(動物)に必要なもの

生きとし生けるもの全ては、

  a)活動のためのエネルギーになるもの

    b)からだを作るもの 

が必要です。 

  a)について、多くの生物はグルコースがそれに該当します。 疑問をはさむ余地はあるのですが、ここでは、昆虫の、しかもクワガタ幼虫や、微生物たちもまた、グルコースをエネルギー源にしていると考えます。

  b)については、分子レベルとなると、必要となるものは種によって千差万物ですが、

「酸素(O)」「水素(H)」「炭素(C)」「窒素(N)」の元素が主要な元素であることは共通しています。

参考:昆虫と類似した形状の「エビ・カニ」の甲殻は主として「キチン」という分子から成っています。 ( 「キチン」・・・菌糸やマットの添加剤でも聞いたことがありますね。業者の方もよく研究なさっていますね。) 化学的に分析した図書は見受けられなかったのですが、クワガタの甲殻もキチンを主成分としている可能性があります。(理由は後述します)

参考2:セルロースとキチンの分子構造について

下図の上段がセルロース・下段がキチンの分子構造です。どうです!そっくりですね。

誰がどう見ても、「セルロースからキチンができている」って考えちゃいますよね。

Photo

素人目に見た、分子構造上の大きな違いは、窒素(N)があるかないかってことでしょうか。

4.分解についてのまとめ

 a)材の分解者は、材(リグニン・ヘミセルロース・セルロース)からリグニン・ヘミセルロースを除去する。

 b)むき出しになったセルロースをグルコースという形に変え、それを活動の糧とする。

  c)またセルロースを窒素元の分子(キチン等)に変え、クワ幼虫が取り込み、からだを構成する

ここまできて、分解だけでは、説明が足りないことが分かりました。

上記(4)項のa) b)まではまだ良いとして、c)項は全く説明がつきません。

何より、材の主成分である、リグニン・へミセルロース・セルロースはいずれも

炭素元の分子であり、窒素はその構成要素になっていません。窒素がないと生物は生きていけませんし、クワガタの骨格を作ることができません。では、その窒素はどこにあるのでしょう? クワ幼虫はどこから入手しているのでしょう? 

第1回にて説明しました、

1.広葉樹(枯死木・生オガ・マット)

2.白色不朽菌

3.バクテリア

のいずれかに存在し、そこから入手しているのでしょう。

それを説明するためには、「微生物(菌・バクテリア)の構成要素」についても論じる必要があるようです。

それは次回に、、、、

-第6回- 微生物(菌・バクテリア)の構成要素

これまでに、材の構成要素は「セルロース・ヘミセルロース・リグニン」であることについて述べてきました。

だた、幼虫が、材だけを食物としていたのでは、「窒素分(キチン)」をどこから得ているのかについて説明がつかないことも分かってきました。そこで、飼育クワ幼虫の環境下に存在する

・白色不朽菌

・バクテリア

が何から組成されているか(それらの中に窒素分があるのか)を調べてみました。

1.微生物の細胞

  微生物(バクテリアやキノコ菌)も植物と同様、「細胞壁」「細胞膜」が存在します。

  それぞれの細胞壁には窒素分を含み、細胞膜の中にはタンパクを有していますね。 

    下表にその組成を記します。

                       微生物の細胞組成について
参考文献:
微生物の分類・同定実験法[シュプリンガー・ジャパン]
アサマNEWS VOL 85 [アサマ株式会社]
    細胞壁 細胞膜
細菌 ペプチドグリカン リン脂質
テイコ酸 タンパク質
タイクロン酸    
リポタンパク質    
真菌 キチン リン脂質
グルカン タンパク質
マンナン コレステロール
タンパク質    

だんだん、難しくなってきました。(苦笑)

でも、今後のクワ飼育のために、(というよりも、別の方向へ進んでしまって,自己の勉強の場となりつつありますが、、)悩ましい用語については整理しておきたいと思います。

2.微生物細胞を構成する要素

いろいろなクワガタサイトで目にした単語もあれば、一般用語として耳にしたことのある単語もあります。それらを抜粋して、簡単に整理してみます。もう、難しいのは抜きで...私が「覚えとこう!」と思ったものだけ調べました。(笑) また、本内容の転記は全く自由ですが、内容の正確性については保証しません(苦笑)。

(1)ペプチドグリカン・・・細菌細胞壁の主要物質ペプチドからなる。

  a) ペプチド・・・アミノがいくつもつながってできている。

  b)    ・・・アルコールになる前の酸化生成物。一般的には炭水化物と同義

      ア)アミノ酸・・・ 有機化合物。タンパク質の構成要素。

(2)タンパク質 ・・・生物の重要な構成要素であり、炭素、酸素、窒素、水素を必ず含む。

            20種類(例外あり)のアミノ酸が結合してできている

上記構成要素を概念図にしてみたのが、下図です。

(あくまで概念です。実際の構成を記すものではありません。)

2

話をクワ幼虫に戻します。 当初、幼虫の食べ物としてあまり候補に挙げていなかった、微生物(バクテリアや、菌糸)は蛋白質を有する貴重な栄養源であると考えるべきかもしれません。何より、糸ビンや発酵マットの中で育つクワ幼虫は他から「窒素(N)」を得るあてが無いのですから、、、

次回で、いったんクワガタ幼虫の食べ物についてまとめたいと思います。当初の予定であった、「分解者の快適な環境ってどういうの」という内容については、また少々調べ事をした上で改めて記載していきます。(いつになるか分かりませんが、、、、)

-第7回- まとめ

前回から、ずいぶんと間があいてしまいましたが、いったん幼虫の食べ物についてまとめてみます。

前にも書いて、しつこいようですが(笑)、本内容は私の勉強のためであり、内容の正確性を保証するものではありません。

Photo_31.まず、広葉樹が枯れます。

その枯れ木は、

リグニン・ヘミセルロース・セルロースで

ほとんどが占められています。

2.そこへ、白色不朽菌(キノコ菌)が寄ってきます。

白色不朽菌は、先の「リグニン・ヘミセルロース・セルロース」

全てを分解することができる微生物なのです。

3.リグニンとヘミセルロースが分解されます。

そしてセルロールの分解も行われます。菌糸は増殖を始めます。

(土壌バクテリアでは、リグニン・ヘミセルロースの分解が

できないため、十分に分解しきれません。)

4.セルロースが分解されてグルコース(ぶどう糖)になっています。

また、「キチン質・タンパク質の塊」とも言える菌糸も

十分に増えています。クワ幼虫にとって栄養満点の状態です。

5.クワ幼虫の食餌

クワ幼虫は、これらを食して大きく育つことでしょう。

(ただ、菌糸が「分解し残したセルロース」を食べて、幼虫腸内バクテリアがグルコースへ分解を行うのか、

直にグルコースを食することができているのかは、不明です)

大きな流れはこのような感じかと思われます。 

そこで、クワ飼育の際のポイントとして、

次年度は次のようなことに気をつけたいと思っています。

・菌糸の繁殖期には幼虫を投入しない。

   菌糸は増殖開始後、

   2日目から4日目で急激に増殖し8日で最大数まで増殖するようです。

   (参考文献:腐生担子菌 のセルロース分解時に発現が誘導される遺伝子)より

   よって、菌糸詰め詰め直後は菌の勢いが強く幼虫にとって危険な環境と思われます。

・リグニン/ヘミセルロースが十分に分解されたころが食べごろ

  セルロースはともかく、

  リグニン・ヘミセルロースは白色不朽菌以外では分解できません

  (だから、土壌バクテリア頼みの発酵マットでは十二分な栄養が確保できないのかもしれません)

  よって、それらが分解されセルロースがむき出しになるころを見計らっての投入が効果的かと思われます。

・菌糸自身も貴重な栄養素

  ビン詰め後、あるいは購入した菌糸ブロックにおいても

  表面に膜のようなものができてますよね。

  これらもキチン質・タンパク質豊富で、クワガタ幼虫にとって

  非常に有益な食物である可能性が高いです。

  次年度は、ブロック表面の膜も混ぜ込んで菌糸ビン詰めを行おうと思います。

・来期の添加剤は、セルロースとキトサン?

  来期は添加剤を何か加えてみようかと思います。 これまでの勉強をふまえ、

  1本目はセルロース(活動を活発にし、成長促進。害はなくとも益はあるはず)

  2本目はキトサン(キチンの同類)(羽化時のための外骨格を作るため)

  ってな感じで考え中です。

本テーマはいったんこれにて閉幕といたします。

次テーマとして、「幼虫(及び菌糸やバクテリア)にとって快適な環境とは」

を掲げたく思いますが、記載できるのはいつになりますやら、、、、、